人事評価の教科書:マネジメント改善の鍵

人事評価についてもう少し深堀りしたかったので「中小企業のための人事評価の教科書」という本を読んだ。 目次をざっと紹介すると

  • 第1章 コロナ禍で顕在化した人事評価・マネジメントの課題
  • 第2章 人事評価制度の目的
  • 第3章 「目標設定→目標達成ツール」としての活用ポイント
  • 第4章 「評価→育成ツール」としての活用ポイント
  • 第5章 これからの人事

となっていて割と最近の悩みポイントになってそうなところに触れられてて良さそう。 特に興味深かった1章と4章について深堀りする。

コロナ禍で顕在化した人事評価・マネジメントの課題

これはコロナでリモートワークが増えたので対面で見ていたときより評価が難しいという人が多い、ということだった。 ただそれについてはしっかり誤解だと書かれていたし、コロナ前からリモートで働いてた僕からすると納得感があった。 どういうことかと言うと、リモートになってプロセス(普段やっていること)が見えないから結果でしか評価できない、とのこと。 オフィスで一緒に居ることでたまたま目に入っていたものが、見えなくなったという意味では正しい。が、プロセスを適宜確認して必要に応じて改善する仕組みを作っていたわけではないだろうし、もしそれがもともと出来ていたらリモートでも関係ないはず。 多分リモートだとメンバーが仕事をサボるって言うのも同じレベルの話な気がする。

もう1つこの章で興味深かったのがマネジメントの本質という話。 マネジメント=日々の業務管理、というのは誤解でそれはたんなるオペレーション(業務)に過ぎない。 じゃあマネジメントとは何かと言うと「問題解決」、つまり理想と現実のギャップを把握し、理想に持っていくように改善すること。 わかっているつもりでも日々の業務管理に追われるとそれだけでマネジメントをやったつもりになりがちなので気をつけたいと思う。

「評価→育成ツール」としての活用ポイント

この前の本でも評価は育成のツールということは言われていたので、そこが深堀りされているのはすごくありがたい。 じゃあどうやって活かすかという話だが、そのためにはそもそも育成のゴールとはどういうことかを決める必要がある。 本では「会社が求めることでできなかったことができるようになることが育成のゴールであり成長」と書かれている。 会社が求めることというのは評価に用いるグレードに該当するので、つまり育成というのはメンバーが上のグレードを目指す中で今足りていないこと、必要なことをすり合わせてそこに到達するためのアクションを行っていくということになりそう。 書いてみると何か当たり前なような気もするけど、今までだと漠然と成長して結果出していきましょうってなってたところに評価という地図が使えるようになったのはちょっと心強い気はする。 ただその分グレードが形骸化しないようにメンテもしていかないといけなさそうということにも気づいてしまった。

所感

思った以上に評価って奥深いということがわかったし面白い。マネージャーとしてメンバーに成長してもらうためにうまく評価を使っていかなきゃいけないと思うと同時に、僕自身も評価される側としてうまく評価を使っていきたい。

おすすめ度

9/10 内容としては申し分ないと思う。マネージャーはもちろん、メンバーも読んでみると評価される側としてどう行動するのが良いのか気づきがありそう。 一点減点したのは電子書籍がなくて紙の本だったので持ち運んだりメモを取るのがめんどくさかったからw でも電子書籍版が出たら書い直したいと思うくらい本当にいい内容だったと思う。