「コーチングよりも大切なカウンセリングの技術」という本を読んだ

最近は自分より優秀な同僚の1on1をやるようになったので流石にやり方を勉強せねば…ということで「コーチングよりも大切なカウンセリングの技術」という本を読んだ。

ティーチング、コーチング、カウンセリングとは

  • ティーチングは解決策を指示すること。即効性があって知識や経験がない若手に有効。
  • コーチングは自分で考えさせるようにすること。自分が達成したい目標や解決策への気付きを与える。
  • カウンセリングは解決策を考える前にまず相手のことを受容・共感すること。本人も気づいていない自身への気付きを与える。

なので3つのやり方があるのかと思っていたけど実際にはカウンセリングからのティーチング、またはコーチングとするのが良さそう。

カウンセリングのステップ

  1. 壁になる
  2. エピソードを聴く
  3. (感情に)共感する
  4. (信念・価値観に)共感する
  5. (解決を提案する)

どれも重要なステップではあると思うけど特に失敗しそうなのは一番最初の壁になるな気がした。 壁になるというのは相手の話を「聴く」こと。そのときに余計なことを言って方向を変えてはいけない。 あくまで聴くことに徹するので指示、助言、自分の話をするなどはしてはいけない。 上手くやるポイントとしては相槌を打つ、オウム返し、述語的会話(続けてください、それで?、詳しく教えて下さい、など)を使うのが大事そう。

〇〇に行ってきました→僕もこの前行きましたけど良いですよね、みたいな会話は結構やりがちなので気をつけたい。

カウンセリングを活かす具体策

なぜカウンセリングなのか?

コーチングだけでは限界があるから。コーチングのゴールは目標達成。 一方、カウンセリングのゴールは目標達成「以外」の気づきである。しかも問題解決の気づきではなく、自分自身の再発見、自己一致であり自己実現。 目先の課題を一つずつもぐらたたきするのではなく、根本にアプローチすることで問題や悩みが起こらなくなる。

こはちょっと話が壮大で難しかったけど、根本を改善すればそもそも悩みが起きなくなるみたいな話はよく聞くのでそういうことなんだろうという理解をした。

カウンセリングは何をしているのか?

所属を実現し、心理的安全性を確立する。 アドラー心理学では自分が望む所属が出来ないときに人は劣等感を感じる、と考える。 ここでいう劣等感とは能力が低いという自覚ではなく、「自分はうまく所属できていない」という感情を指す。 この劣等感を感じると人は苦痛を感じる。

これはめちゃくちゃわかる。今の立場になってからずっと感じてた感情がこれだった。 マネジメント見習いとしてあれこれ頑張ってはいるけど、うまく結果が出せず自分はまだマネージャーというカテゴリに所属できていない劣等感で本当に苦しかった。 この本を読むまではただ自分の不甲斐なさに絶望しているだけだと思っていたけど、ここを読んだときものすごい腹落ちした感じがある。

いつ、どこで、誰が?

カウンセリングは結論を急ぐ業務場面には適していないので、日常から切り離した1on1は最適。 「部下のための」「部下に自由に話してもらう」「右脳を使った」「創造的な対話」が理想。 やりがちな失敗は「上司のための」「部下を問い詰める」「左脳だけを使う」「進捗管理」の場にしてしまうこと。

これもやりがちだと思った。今は自分より優秀な同僚相手なので流石にないけど、若手の1on1してるときはやっぱりついつい進捗の話聞いてもっとこうした方が良いみたいな話をしてしまっていた記憶がある。 ティーチングが有効な相手ではあったので完全に間違っているということはないと思いたいけど、やっぱり相手からすると話しにくくなってたとかあるんだろうな、申し訳なかった。

まとめ

今まで何となくでやってきていた1on1だったけど、改めて相手の話を聴くということがすごく大事だと思った。 話を聴いて共感する、って書くだけだと簡単だけどめっちゃエンジニアの苦手分野って感じだ(クソデカ主語) 今回は端折ったけどその辺の話ももっと詳しく書かれているのでもし気になるという人は読んでみてほしい。 あと関係者の人はこれから1on1とかMTGやってるときに(あ、こいつ本の影響受けてるな…?)とか思わないでほしい、恥ずかしいから。